連載 彷徨い人の狂想曲[最終回]
最終楽章
辻内 優子
1
1心療内科・小児科
pp.1068-1071
発行日 2004年12月10日
Published Date 2004/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100597
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夜中にふと目をさますと,隣で寝ているはずの暁子がいない。真二は胸騒ぎを覚え布団を押しのけた。冷たい空気が容赦なく背中を刺し,ぶるっと身震いをしてフリースの上着を被る。トイレにもいない。1階は真っ暗で物音さえしない。階段の電気をつけると眩しくて目がくらんだ。
「アキ?」
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