特集 キャリアカウンセリング技術を磨く
看護管理者によるキャリアカウンセリング
[1]キャリアカウンセリングの役割と課題
坂本 理郎
1
,
勝原 裕美子
2
1(株)ライト マネジメント コンサルタンツ ジャパン
2兵庫県立大学看護学部
pp.632-636
発行日 2004年8月10日
Published Date 2004/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100526
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キャリアカウンセリングが注目されている背景
就職することで定年までの生活が約束されていた時代が過ぎ去り,1人ひとりが自分で自分のキャリアを考えるということが当たり前の社会になっている。30代での転職や進学,家庭と仕事の両立,中高年の再就職,定年後のセカンドライフなど,最近よく聞く話題のいずれもが,誰もが直面しうる「キャリア」にまつわる問題だ。看護の世界も例外ではなく,上記と同様の問題の他に,スペシャリストとジェネラリストの選択,高齢化など,特有のキャリア問題も存在する。
キャリアの基本的な考え方は,個人が仕事・家庭・社会といかに関わり合うかということであるが,今のような変化の時代にあっては,そういったことを慣習的あるいは予定調和的には決めづらく,自らの進むべき方向についての答えを見出しにくくなっている。このような時代に生きる人々を支援するものとして,「キャリアカウンセリング」に期待が集まっている。厚生労働省が,個人の職業選択やキャリア形成などを援助する専門家の育成が急務であるとの認識から,官民協力により,2002年以降5年間で5万人の「キャリアコンサルタント」を育成する計画を発表したことも,この流れに拍車をかけている。
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