- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
DPC導入評価にかかる看護必要度の調査
筆者は,2005(平成17)年7月から,中央社会保険医療協議会診療報酬調査専門組織委員として「DPC評価分科会」に所属し,継続的に行なわれているDPC導入の評価について検討している。2005年度は,その調査の一環として,DPC導入および試行的導入をしている98の病院の3つの病棟(特定集中治療室加算を算定している病棟・ハイケアユニット入院管理料を加算している病棟,もしくは重症度が最も高い病棟・看護必要度が一般的な患者が入院している病棟)に入院している患者の看護必要度について1週間調査を行なった。図1が看護必要度を評価するために使用した患者の状態評価票である。この評価票を用いて患者の評価をすれば,看護必要度チェック票にICUで使われている「重症度」とHCUで使われている「重症度・看護必要度」の基準を加味して評価を行なうことができる。これによって入院している患者それぞれの看護必要度が把握でき,調査対象病院に入院している患者の看護必要度の状況がわかる。その結果は,すでに厚生労働省のホームページの委員会報告として公表されているが,この3病棟に入院している患者の看護必要度をみると,ICUおよびHCUの入室基準を満たす患者の割合が75%の最も多い病院から15%と最も少ない病院まで並べられた(図2)。
この調査は3病棟の調査であり,なかにはHCUをもたない病院もある。また,各病院の調査対象となった病棟の病床数の全病床数に占める割合も一定でないために,この順序が正確に実態を表わしているとはいえないが,全病院の全患者の調査を行なった場合には,看護必要度の高い患者の占める割合の多い病院から少ない病院まで示すことができることが明確になった。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.