連載 看護部長のバーチャルコーポレーションで患者の安全を守る――赤十字医療施設看護部長会の取り組み・2
医療安全に関する看護係長機能評価
大場 美代子
1,2
,
前田 久美子
3
1仙台赤十字病院
2赤十字医療施設東北ブロック
3前大森赤十字病院
pp.840-847
発行日 2005年10月10日
Published Date 2005/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100241
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はじめに
看護職者は患者のベッドサイドで24時間継続してケアにあたり,患者に直接提供する医療行為の多くを担っている。また,薬剤師などの他職種が行なった行為の延長線上で業務を行なうことも多く,行為の最終確認者の役割も担っている。
一方,医療の高度化,専門化,効率化などを背景として,医療におけるリスクはますます増大し,看護職者は患者の安全を守る役割を一層果たしていかなければならない。
赤十字医療施設東北ブロック看護部長会では,「患者の安全を守る組織づくり」に向けて,臨床現場で複雑化した多くの業務を抱える看護職員を支援する看護係長に焦点をあてた。
看護係長は看護師長の補佐役としての役割をもち,組織全体の安全管理の推進者でもある。また臨床現場では看護実践者であり,スタッフに対しては監督・指導の役割を担う。これらのことから,看護係長の能力開発を支援し,組織における機能を強化することは,職場風土にも影響を及ぼし,効果的な安全管理が推進できると考えた。
そこで,看護係長の能力の開発支援につながり,医療安全に関する役割を果たすための指針となる看護係長機能評価表を作成した。さらに,作成した看護係長機能評価表を用い,赤十字医療施設東北ブロックにおける医療安全に関する看護係長機能の実態を調査し,今後の課題を検討したので報告する。
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