特集 個人情報と患者の安全をどう守るか
個人情報保護と患者安全を第三者評価でどのように位置づけているか―刈谷総合病院の取り組みから
鈴木 正子
1
1医療法人豊田会刈谷総合病院
pp.632-637
発行日 2005年8月10日
Published Date 2005/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100212
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はじめに
個人情報保護法が本年4月1日から全面施行された。これに伴い医療機関もコンプライアンスへの取り組みが迫られている。医療の分野では以前から情報利用者側には守秘義務が課せられており,さらなる個人情報保護法の適用にはいまさらの感はあるが,この法律のもとでは患者側が個人情報のコントロール権をもつという意味で,従来とはやや視点を変えた考え方が必要になる。
刈谷総合病院(以下,当院)では1998(平成10)年に日本医療機能評価機構の認定を取得し,ついで1999(平成11)年には健診センターでISO9001の認証取得,2000(平成12)年には病院全体でISO14001の認証取得と第三者評価に積極的に取り組んできた。
病院には膨大な個人情報が保管され,これまでのISOや病院機能評価認定を受ける取り組みを通して,個人情報保護法をどう位置づけ,患者安全をどう保証していくのか,当院での具体的な取り組みについて述べる。
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