特集 個人情報保護法と病院
病院情報システムにおける個人情報保護
喜多 紘一
1
1東京工業大学情報工学研究施設
pp.279-282
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100269
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病院は患者の診療録など大量の個人情報を保有しているので,個人情報保護法上,特に適正な取扱いを厳格に実施する必要があるとされている.特に「安全性に関する問題」は,医療分野に関する個人情報の漏えいや不当な利用などにより,個人の権利利益が侵害された場合には,他の分野の情報に比べ,被害者の苦痛や権利回復の困難さが大きいことから,重要である.
病院関係者は個人情報保護の趣旨を理解し,個人情報の利用目的の明確化や安全管理措置など,その概要と具体的な対応の手順を知っておく必要があり,そのための院内体制を整備しなくてはならない.特に,近年,電子カルテをはじめ情報が紙から電子化されるに従って,情報セキュリティは従来以上に重要性を増し,職員の ID やパスワード等の運用,アクセス制御などの十分な対策も必要である.ここでは,病院情報システムにおける個人情報保護について,病院管理者が知っておくべきこと,特に注意し対策をとるべきことを述べ,最後に「プライバシーマーク制度」について触れる.
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