特集 看護業務を支える病院システム
医療情報としての看護用語の標準化の取り組み
看護観察マスターの開発とその概要
水流 聡子
1
,
内山 真木子
2
,
渡邊 千登世
2
,
段ノ上 秀雄
3
1東京大学大学院工学系研究科
2聖路加国際病院看護管理室・医療情報システム室
3東京大学大学院工学系研究科
pp.551-554
発行日 2005年7月10日
Published Date 2005/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100196
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患者状態を記述する用語の必要性
医療は状態適応型のシステムである。特に24時間患者状態を観察している看護では,その観察結果を記述するための用語として,観察項目名称と,その結果表記方法が必要となる。電子経過表では,バイタルサインや患者の症状・訴え,医師が記載する症状所見,検査結果が,患者状態を表現する用語といえる。この中から,看護師による24時間の観察対象となっている用語を,現場からボトムアップ的に収集し,観察項目名称と結果表記を構造的に表現する枠組みを設計し,「看護観察マスター」(以下,本マスター)として作成することを試みた。
看護師は患者に対し交代制勤務の形式で観察を実施している。次々と交代する看護師による対象患者の観察結果が,患者状態の変化として継続的に記録されるためには,同じ観察項目名称を使用し,当該観察項目に関する結果表記の標準値がなければ,観察結果の質保証は困難である。
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