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Jリーガーのキャリアサポートに学ぶ
Jリーグキャリアサポートセンター(以下,キャリアサポートセンター)は,Jリーグでプロ契約を結ぶサッカー選手(以下,Jリーガー)の第2の人生を支援する機関である。Jリーガーは人々に夢や希望,感動を与え,青少年にとって手本となる存在でもある。一方で,Jリーガーの選手としての生命は短く,引退の平均年齢は25.5歳ぐらい,18歳でその世界に入って7~8年だという。これだけの短い期間に完全燃焼し,場合によってはスポーツ界とは全く別の生き方を選択することになる厳しい社会でもある。キャリアサポートセンターは,引退後の次のステップに進むために必要な知識,ノウハウを提供し,精神的な支えになることを理想としている。また,引退後の不安が解消されることはプレーに専念できる環境整備につながると考えられる。
看護職の場合,キャリア開発・支援の多くは,看護職を継続している人を対象に,より高度で専門的な看護や管理を修得するために設けられており,そうしたキャリア開発・支援は,看護職の向上心ややりがいを刺激し,看護の質を向上させ,離職を防止するという意味から本人にとっても組織にとっても重要なことである。しかし,他方,キャリアからの離脱,つまり,さまざまなライフイベントによって仕事を辞めざるを得なかった看護職のキャリア再構築については十分には対応していない。多くの看護職は,数年間就労して,離職するケースが多く,ブランクの期間が長くなればなるほど就労を躊躇することもあり,再就労は難しくなる。また,求人側のニーズと求職者の条件がかみ合わずに起きる雇用のミスマッチも看護職の潜在化(離職)を助長している。こうしたなかで,潜在看護職(離職した看護職)の再就労のためには離職後の第2のキャリア形成をも同時に検討していくことが必要なのではないだろうか。
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