焦点 パスの効果をみる
クリティカルパスを使用した情報開示―患者用クリティカルパスの外来展示とその効果
大橋 暢
1
1聖隷三方原病院入院医事課・クリティカルパス推進委員会
pp.53-57
発行日 2006年1月10日
Published Date 2006/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100009
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
聖隷三方原病院(以下,当院)では,1997(平成9)年よりクリティカルパス(以下,パス)を導入した。パス作成には,医師,看護師が中心となり,コメディカルも参加して進められた。各パスは,医師,看護師,コメディカルが治療に使用する「医療者用パス」と,入院治療経過を患者に提示するための「患者用パス」(図1)の2種類で構成されている。入院患者におけるパス適用率40%以上を目標に,この新規パスの作成を続けてきた。
そのようななかで,2003(平成15)年,泌尿器科において外来待合スペースに5種類の患者用パスを展示し,自由に閲覧・持ち帰りできる取り組みを開始した(写真)。運用開始後,予想以上の数が持ち帰られ,1年間の集計では1024枚にも上った。これに対し,当院のクリティカルパス推進委員会(以下,パス委員会)は,入院経過に関する情報を欲している患者が想像以上に多いととらえ,パス適用患者だけでなく,当院に訪れる人すべてに情報を開示することを目的として,パス展示を外来各科へ広めていくことを決定し,実行していった。本稿ではその経過を紹介する。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.