英語論文へのアプローチ
誤訳のすすめ(8)
内海 滉
1
1千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センター
pp.73-80
発行日 1991年1月15日
Published Date 1991/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900713
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英語論文へのアプローチとして,引き続いてHeidtを読む。
はじめに,この項の標題を今年から改めて“英語の中の数学(1)”とする考えのあったことを書いておこう。“誤訳のすすめ”はすでに(7)まできているし,英語論文へのアプローチとして,本項では“英語の中の数学”を取り扱うことを目標として,話を進めることもひとつの行き方であると考えてみた。なるほど原文は,比較的統計数学的な処理が多く,このために使用した統計数学においては種々の問題点もあるから,“英語の中の数学”または“英語の中の統計学”でいっこうに差支えないとは思ったのであるが,しかしながら,まず,“数学”が“英語”の中で“英語によって”影響を受けることは絶対にありえないこと(どんなに外国語で表現されても数学の法則の本質においてその外国語の影響を受けることはない,逆に“数学”を表現する時の“外国語”は数式の影響を受けて特徴的である,だからもし将来,特にそれを問題として取り上げる時が来たら,“工業英語”や“化学英語”の例にならって“数学英語”とでも命名して執筆することにしよう),しかも,X氏が折角の準備を整えているので,今回もやはり“誤訳のすすめ(8)”で我慢してもらうことにした。
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