英語論文へのアプローチ
誤訳のすすめ(10)
内海 滉
1
1千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センター
pp.474-483
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900047
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ひき続いて,NRの論文を検討してゆこう。前号のあとを受けてVol.30, No. 1, p. 36のくだりを進める。ここは「結果と考察」すなわち,結果的データをひき合いにだして,著者の考えを述べている箇所であり,論文のやま場である。
すでに「仮説Ⅰ」[仮説Ⅱ」が終わった。今回は「仮説Ⅲ」に入る。「仮説Ⅰ」では,治療的接触を受けた介入の前後の不安値に有意な差があることを立証し,その介入が確かに影響を及ばすことを実証した。「仮説Ⅱ」では治療的接触を受けた被検者群と治療的ではない接触を受けた被検者群とでそれらの介入後の不安値の差を比較し,治療的接触の影響の方がより大であることを明らかにし,「仮説Ⅱ」を支持した。「仮説Ⅲ」は,さらに治療的接触群と無接触対照群すなわち全く接触を受けていない群とを比較することになる。
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