焦点 ヘルスプロモーション活動の実践と課題
慢性疾患の自己管理—第3次予防のためのモデル
Kate Lorig
1
,
近本 洋介
2
1スタンフォード大学医学部患者教育研究センター
2スタンフォード大学医学部疾病予防研究センター
1Stanford Patient Education Research Center
pp.23-29
発行日 1998年2月15日
Published Date 1998/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900435
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人口の高齢化に伴って,慢性疾患の罹患率が上昇しつづけている。今日,多くの高齢者は,複数の慢性疾患をかかえている。したがって,comorbidity(疾病併存状態)ということが,個人にとっても医療(ヘルスケア)システムにとっても問題になる。本稿では,慢性疾患の自己管理(セルフマネージメント)モデルの理論的根拠と定義について論じる。加えて,このモデルがどのように適用されているかを,医学的治療と健康教育の両面から例をあげて述べる。最後に,このモデルをもとに構築された患者教育プログラムの主たる構成要素を説明する。これには,(a)患者の自覚的ニーズに焦点を当てた内容のプレゼンテーション,(b)意思決定と問題解決を含む新しいスキルの練習とフィードバック,(c)医学的管理に加え,精神面の管理や役割管理への注意,(d)患者に対し自己の状態を管理する能力に自信をもたせる技術の使用,および(e)医師・患者関係のなかで患者が積極的役割を果たすことの重要性,が含まれる。
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