焦点 レイニンガーの看護論と研究方法
レイニンガー看護論—わが国の看護にとっての意義
稲岡 文昭
1
1日本赤十字看護大学
pp.89-92
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900385
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あいもかわらず米国で出版された「看護理論」や「看護モデル」などの看護関係書が次々と翻訳され紹介されている。一方では,“医療制度や文化,風習が異なるわが国で本当に生かされるのだろうか?”という多くの看護者のつぶやきが聞こえる。このような声を聞くたびに,いく冊かの書籍を翻訳させていただいた者としていささか恥じ入っている。なぜなら“読み手の読解力と応用能力にかかっていることだよ”と思わず口にしたい衝動にかられる反面,“当たらずといえども遠からず”というのも本音だからである。樋口1)も西洋で誕生した自然科学の概念や西洋の文化やそこから生まれた価値観が東洋のそれに比較してベスト・ウォースという評価の上に立つのではなく,日本の伝統的文化の中に埋もれている価値観を掘りおこしてみる必要があると主張している。
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