焦点 レイニンガーの看護論と研究方法
民族看護学の研究方法—アジアにおける看護知識の発見と発展のために
Madeleine Leininger
,
筒井 真優美
1
,
今井 恵
2
,
益守 かづき
3
1日本赤十字看護大学
2日本赤十字社医療センター看護部
3大分医科大学医学部看護学科
pp.93-105
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900386
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現在,世界中の看護界で,看護学者,臨床家,教育者,学生そして管理者が,看護という学問と専門職としての本質と特徴を十分に知るための方法を模索するという新しい時代を迎えている。看護学研究者は,看護の対象となる人々に関連した本質となる知識や,看護という仕事に有用な知識を確立するための理論と研究方法に特に興味をもっている。この看護界の新しい時代において,特殊な文化に関連した知識の発見を促すであろう理論や研究方法を使用することは緊急の課題である。また,個人や家族そして社会集団におけるケア,健康,安寧に影響する雑多な要因の中には,複雑で秘密めいた,人々の心の奥深くに埋め込められた看護現象があり,それらの現象を引き出して正確に解釈するという課題もある。これらの課題は世界中の看護において大変重要であるが,身近な環境の中で特に重要となる。
この論文の中で,私は「文化ケアの多様性と普遍性(Culture Care Diversity and Universality)」理論を使用した民族看護学の研究方法が,看護者や患者に関係のある意味深い看護知識を発見する際に,他の方法とは大きく異なると考えている。アジアの看護者は看護の判断と行動を導く知識の発見において新たな出発点に立っている。そのため,この理論と民族看護学の方法がアジアの看護者に価値があると私は主張する。
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