特集 第1回看護研究セミナー
討議資料
わが国における看護研究の現状
高橋 シュン
1
,
熊井 田鶴子
2
,
石川 操
3
,
清水 嘉与子
4
,
三竿 京子
5
,
笠原 洋子
6
1聖路加看護大学
2元:聖母女子短大
3北里大学病院
4厚生省医務局看護課
5元:日赤短大
6聖母女子短大
pp.369-374
発行日 1971年10月15日
Published Date 1971/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200320
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分類の方法
いままでは主として日本の看護研究の内容と量的な面に焦点を当ててレビューされたが,われわれは主として看護が科学的に記述されないことが看護研究の発展を阻害している一因子なのではないかという考えから,研究の質的な面を調べることになった。そこで現在の看護研究がどういう点で科学的に記述されていないかという問題点を発見して,将来の方向づけをすることを目的に作業をした。さしあたり今日の看護研究レポートを調べることによって,問題点が発見されるという観点に立ち,1969年と1970年の2年間の雑誌"看護","看護学雑誌","綜合看護","看護研究","第2回日本看護学会集録"の5誌の掲載された43例を対象に,科学的記述という点で何が不足しているかを検討することにした。しかし今日の問題点を探ることに焦点をおいたので,いわゆる研究者の看護研究は対象から除外している。取り上げた対象例のトピックスは表1のとおりである。
この分類基準はナーシング-リサーチの1960年のアブストラクトの分類1)をある程度参考にしたが,当てはまらないものもあって無理があるので,私たちなりの分類に調整した。つまり看護サービスとは看護婦の役割とか管理業務的なものを含み,一般看護とは慢性疾患患者の看護と対応させて用いたので,主として慢性でない成人疾患患者の看護を含む。
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