焦点 在宅ケアに関する研究と課題
在宅看護技術の体系化に関する研究
川村 佐和子
1
1東京医科歯科大学
pp.3-7
発行日 1997年2月15日
Published Date 1997/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900376
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在宅看護技術を体系化する重要性
近年,長期療養者や重い障害者そして高齢者がQOLを追求する上で,在宅療養生活を営む意義が認められるようになった。このことは,人権思想の具現化とともに,医療費やケア費の高騰を押さえられるであろうという経済的理由によっても,強く後押しされ,在宅療養を促進するための制度改正や環境整備が進んでいる。具体的には訪問看護ステーションの設置や医療保険制度における「在宅医療」分野の新設や外来診療における指導料,訪問看護に関する費用の新設,介護保険法の提案などである。
訪問看護(在宅看護)は,老人保健法により老人訪問看護ステーションが開設された当初は虚弱高齢者をその対象にするものであった。その後,訪問看護ステーションの対象年齢が拡大され,ターミナル状態者や難病者が含まれるようになり,訪問回数制限などに自由度が増してきている。さらに,近年では,訪問看護組織の認可対象に民間組織を含めるという見解も耳にするようになり,訪問看護組織の設置主体も多様化が予想される。
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