焦点 寝たきり老人の看護に関する研究[1]
研究
最終臥床期間から見た寝たきり老人—疫学的調査方法からのアプローチ
安村 誠司
1
,
柴田 博
2
1東京都老人総合研究所・地域保健部門
2東京都老人総合研究所研究部
pp.335-343
発行日 1992年8月15日
Published Date 1992/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900090
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はじめに
わが国では世界に例を見ない速さで高齢化が進行しており,今後30年での高齢化のスピードは過去50年間と比べ2倍の速さになると予想されている。人口の高齢化に伴い75歳以上の後期高齢者も増加し,いわゆる「ぼけ老人」や「寝たきり老人」の増加が社会的問題となっている。1990年現在で在宅痴呆性老人は約73万9000人であるが,2000年には110万人に達すると推定されている。一方,「寝たきり」老人も1990年現在で約70万人てあるが,2000年には100万人に達すると推定されている。
そして,高齢化により老人医療費の増加率は国民医療費のそれを毎年上回って伸びており,1990年の老人医療費は国民医療費の29%を占めるに至ったが,10年後には36%を占めるものと予想されている。
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