書評
元来のありたい・あるべき訪問看護を文書化・可視化した画期的な書籍
福井 小紀子
1,2
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
2東京医科歯科大学在宅・緩和ケア看護学分野
pp.300-301
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681202210
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本書は,日本の訪問看護・在宅看護の第一人者であり,我々にその道を開き,導いてこられた川村佐和子先生が編集・執筆された書籍である。すでにこの段階で,川村先生と同じ志をもつ訪問看護に思いを馳せるそのお仲間が我々読者に何を届けてくださるか,ワクワクしながら読み進めることができる書である。
本書の「訪問看護師による在宅療養生活支援を可視化する 希望実現モデル」というタイトルは,まさに,地域や利用者から信頼が厚く,質の高い訪問看護を提供できている訪問看護師が,元来のあるべき・めざすべき訪問看護として,在宅療養者を支えるために最も大切にして行っている看護行為を表している。訪問看護は,在宅療養者自身が,どのように生活したいか,どのように生きたいか,という意思や希望を丁寧な対話を通して捉えながら,その意思や希望に沿って支援していく。そのような訪問看護だからこその醍醐味を「希望実現モデル」として,その考え方ならびに具体的な実践が,実例や制度内での解釈や具体的対応例を含めて,丁寧にわかりやすく書かれている。
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