特集 批判的実在論とは何か
扉
木下 康仁
1
,
『看護研究』編集室
1聖路加国際大学大学院看護学研究科
pp.129
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201973
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批判的実在論は,イギリスの哲学者Roy Bhaskerにより,1970年代に提唱された科学哲学です。今日ではイギリスを中心にヨーロッパ,アメリカ,アジアなど広い範囲にわたり,社会学や経済学,社会福祉学などさまざまな学問領域の基礎理論として関心が高まっています。日本でも目下,批判的実在論に関する主要な著作の翻訳が着々と進んでいます。
修正版グラウンデッドセオリーアプローチ(M-GTA)を開発した木下康仁先生(聖路加国際大学大学院看護学研究科特命教授)も,近年この科学哲学のもつ重要性を見いだし,看護研究におけるメタ理論としての大きな可能性に着目しています。2019年からの科研「看護学のメタ理論としての批判的実在論の可能性」では,研究会を立ち上げながら現在も探究を深めており,2020年の著作『定本 M-GTA』の最終chapterでも,批判的実在論を軸にM-GTAとの関係や質的研究のこれからを展望しています。
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