編集室紀行
本の旅に出よう:物語に見るグリーフケアの世界
本誌編集室
pp.966
発行日 2010年11月25日
Published Date 2010/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101606
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『教育の地平線』欄に登場いただいた重松清さんの小説は,中学や高校入学試験問題(国語)で出題される作家・作品ランキングで圧倒的な1位の座を保っています。市井の家族や学校生活を平易な文体で描写するあたたかな世界観がその人気の背景にあり,若い世代の支持も高い,現代を代表する作家の一人です。
近作『きみ去りしのち』は,満1歳の息子を乳幼児突然死症候群で喪った42歳のセキネさんが主人公。大切なひとの死を受容できない彼は,妻の陽子としばし離れ全国を旅することを決めます。その計画に,元妻に引き取られてからずっと音信不通だった娘の明日香が同行をせがんでくる。折しもその母美恵子は末期がんを宣告され,ホスピス入りを決めることになります─。
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