特集 看護研究における報告ガイドライン2
看護研究で念頭に置いておきたい報告ガイドライン30
SPIRIT-PRO [Guidelines for Inclusion of Patient-Reported Outcomes in Clinical Trial Protocols: The SPIRIT(Standard Protocol Items: Recommendations for Interventional Trials) -PRO(Patient-Reported Outcome) Extension]—臨床試験実施プロトコールに患者報告アウトカムを組み込むためのガイドライン:SPIRIT-PRO拡張版
川口 崇
1
,
宮路 天平
2
,
山口 拓洋
3
1東京薬科大学薬学部医療薬学科
2東京大学大学院医学系研究科臨床試験データ管理学講座
3東北大学大学院医学系研究科医学統計学分野
pp.134-135
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201743
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概要
患者報告アウトカム(Patient-Reported Outcome:PRO)は,「患者の回答について,臨床医や他の誰の解釈も介さず,患者から直接得られる患者の健康状態に関するすべての報告である」〔国際医療経済・アウトカム研究学会(ISPOR)日本部会ワーキンググループの訳による〕と定義されている。医療や政策における意思決定だけでなく,医薬品の承認申請にも活用されるようになり,臨床試験において主要評価項目としても用いられるようになった。しかし,プロトコールにどのような内容を記述すべきかなどが未整備の状態であった。そこで,2013年に臨床試験のプロトコールの完全性を高めるために策定されたSPIRIT声明(Chan et al., 2013)に,PROに特化した内容の拡張版として作成されたのが,SPIRIT-PRO拡張版である。
SPIRIT-PROはCalvertらによって開発され,2018年にチェックリスト,および,その詳細と解説(E&E)が発表された(Calvert et al., 2018)。
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