特集 看護研究における報告ガイドライン2
看護研究で念頭に置いておきたい報告ガイドライン30
TREND [Improving the reporting quality of nonrandomized evaluations of behavioral and public health interventions: the TREND statement]—行動的介入および公衆衛生的介入を評価した非ランダム化研究の質の改善:TREND声明
奥村 朱美
1
,
友滝 愛
2
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科5年一貫博士課程
2国立看護大学校看護学部人間科学情報学
pp.104-105
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201730
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概要
公衆衛生上の意思決定において有力な科学的知見を活用するために,根拠に基づく公衆衛生(evidence-based public health:EBPH)の取り組みがなされている。公衆衛生的介入を評価するにはランダム化比較試験(RCT)の実施が非現実的または非論理的である場合が多いために,非ランダム化デザインを用いた研究がRCTの代用として適切な場合がある。EBPHを実現する上で,非ランダム化デザイン研究の報告の標準化・透明性の確保を目的に開発されたのが,the Transparent Reporting of Evaluations with Nonrandomized Designs(TREND) statement(以下,「TREND声明」)である。
TREND声明はDes Jarlaisらによって開発され,2004年にチェックリストが発表された(Des Jarlais, Lyles, & Crepaz; TREND Group, 2004)。TREND声明は非ランダム化デザインを用いた研究の中でも,介入評価を行なう研究のために提唱されたものである。チェックリストには,HIVの予防に関する行動介入の研究を用いた記載例も併記されている。またTREND声明とチェックリストは日本語でも入手可能である(中山訳,2008)。
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