特集 看護研究における報告ガイドライン2
看護研究で念頭に置いておきたい報告ガイドライン30
Reporting to Improve Reproducibility and Facilitate Validity Assessment for Healthcare Database Studies V1.0—健康医療データベース研究の再現性改善と妥当性評価促進のためのレポート第1.0版
横田 慎一郎
1
1東京大学医学部附属病院企画情報運営部
pp.106-107
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201731
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概要
大規模な健康医療データベースに蓄積されたデータ,いわゆるリアルワールドデータから,実世界におけるエビデンスを創出することへの期待は世界的に高まっている。健康医療データベースについて国内での例を挙げると,各医療機関における電子カルテデータ,厚生労働省が全国から収集・管理するDPCデータベースやレセプトデータベース,学会などの学術団体が主導する症例データベースが該当する。これらの健康医療データを用いた研究においては,データの抽出条件や選択条件,他のデータソースとの突合方法,あるいは処理用のプログラムによって,研究結果や解釈に与える影響が大きく変化する。このため,長期間にわたるデータが格納される健康医療データベースから適切にデータセットを作成して分析・報告するには,あらかじめ多くのことを決めておく必要がある。
本ガイドラインは,大規模健康医療データベースを用いた研究を下支えするための,再現性改善と妥当性評価促進のために報告されるべき事項をまとめた一覧であり,国際薬剤疫学会と国際医薬経済・アウトカム研究学会の合同特別タスクフォースの議論を経て発表された(Wang et al., 2017)。
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