特集 実践と結びついた看護理論をつくる—状況特定理論をヒントに
扉
坂下 玲子
1,2
1兵庫県立大学看護学部
2兵庫県立大学臨床研究支援センター
pp.413
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201673
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大学生時代はもっぱら睡眠学習をしていた私は,理論は「絵にかいた餅」だと思っていた。また,日本における看護理論教育は「偉人伝」のようでもあり,昔の人々のアイディアが明日の実践に不可欠なものとも思えなかった。
2001年に兵庫県立看護大学(現兵庫県立大学)に赴任し,博士課程の研究に携わるようになり,私の看護学は一変する。理論構築と研究が看護学を推進する車の両輪であることがわかり,衝撃を受けた。学生時代の私は,理論は創るものであること,すなわち理論構築に方法があるということすら知らなかった。看護理論の学びを深めることで,看護現象の中に,キラキラ輝く看護独自の専門性が垣間見える瞬間に魅了された。そしてそれはいまも続いている。看護現象の中から看護のコア概念を抽出し,実践に還元したい! その思いで私たちは臨床看護研究支援センターをつくり,Phenomena in Nursingという機関誌を発行した。
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