SCOPE
ヨーロッパにおける異文化看護分野の研究動向—European Transcultural Nursing Associationに参加して
齋藤 真希
1
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
pp.398-403
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201668
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はじめに
国際化社会で人の移動がますます活発になる中,医療現場でも外国人患者に対応する場面は増え,国際看護,異文化看護の重要性は高まってきています。日本においても医療・看護の対象となる患者の文化的背景が多様化すると予測され,対象者の文化的背景を考慮したケアの充実が求められています。
異文化看護に関する国際学会には,アメリカを中心に活動しているTranscultural Nursing Society(異文化看護学会;以下,TCN)とヨーロッパを中心に活動しているEuropean Transcultural Nursing Association(欧州異文化看護協会;以下,ETNA)があります。TCNはMadeleine Leininger博士(1925-2012)主導のもと,1974〜1975年に研究,教育,実践が行なわれるようになり,学会として創設されました。筆者は2013〜2015年にTCNの国際学術集会に参加し,本誌に学会報告をしました(齋藤,2014)。そのときは,予想していたよりもアメリカからの参加者の割合が多かったので,ヨーロッパでの異文化看護の実際についても知りたいと考え,第6回ETNA国際会議に参加,発表することにしました。本稿では,この組織と学術集会について紹介します。
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