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はじめに
英文での論文執筆の背景
筆者は2009年に科学研究費〔基盤研究(C)〕を獲得し,「看護職の労働安全衛生に関する国際共同研究;International Collaboration for the Occupational Health of Nursing(ICOHN)」を開始した。この研究の開始当初に,太平洋沿岸諸国7か国の産業看護の研究者を日本に招聘し,2日間のワークショップを通じて,看護職の国家間移動と労働実態を調査するための質問紙を作成した。以降,7か国の事情に応じて質問紙を適宜改変・更新している。
日本では,この質問紙をケアリング・アイランド九州沖縄大学コンソーシアム註1の調査で使用し,さらに,筆者が当時所属していた組織が経営する全国の関連病院で働く新卒看護師の調査にも使用した。この調査結果をまとめたものが,日本看護科学学会の英文誌,Japan Journal of Nursing Science(以下,JJNS)の2014年11巻3号に掲載された論文「Effect of organizational factors and work environments on newly graduated nurses' intention to leave(組織的要素と労働環境の影響が新卒看護師の離職意図に与える影響)」(Ishihara, I., Ishibashi, Y., Takahashi, K., & Nakashima, M.)註2である。
本稿では,本論文の投稿から掲載に至るまでの査読プロセスを詳細に振り返り,英文での論文投稿と査読の過程を通して得られたことを紹介する。
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