特集 査読を考える─査読ガイドラインの構築に向けて
〈学会の動向から考える〉
『家族社会学研究』の査読システムと査読ガイドライン
池岡 義孝
1
1早稲田大学人間科学部
キーワード:
査読ガイドライン
,
査読システム
,
編集システム
,
情報公開
,
大学院重点化
Keyword:
査読ガイドライン
,
査読システム
,
編集システム
,
情報公開
,
大学院重点化
pp.700-704
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201205
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日本家族社会学会と機関誌『家族社会学研究』の歴史
日本家族社会学会(以下,本学会)の機関誌『家族社会学研究』は1989年の創刊で,2015年10月末時点で第27巻第2号まで刊行されている。本学会は,家族に関する理論的・実証的および実践的な研究を推進し,個人と社会の発展に寄与することを目的として1991年に設立された学術団体であり,日本学術会議協力学術研究団体となっている。現在の会員数は約700名で,家族に関わるさまざまな分野を専攻する大学・短大・専門学校などの教員,研究機関の研究員,家庭裁判所の調査官,ジャーナリスト,大学院生などの会員によって構成されている。学会の活動は,年1回の学会大会,機関誌『家族社会学研究』の年2回の発行を中心としており,これらを通じて,会員の研究成果の公表を行なっている。
このように,『家族社会学研究』は学会設立に先行して刊行された。学会は,1968年から毎年20年以上,夏に合宿形式で行なわれていた「家族社会学セミナー」を前身としており,1980年代半ば以降から,学会化が模索されていた。そのための一連の改革の中で,機関誌の定期刊行が大きな柱の一つになっていた。そこで,まず機関誌の定期刊行を学会の発足に先行させたのである。したがって,学会が発足するまでの4号の編集委員会体制は暫定的なものだった。1992年からは,選出理事の任期の3年ごとに理事会が交代し,現在は2013年から第8期の理事会によって運営されており,そのもとにある編集委員会も第8期となっている。当初は年1回の刊行だったが,2000年からは年2回刊行する2号体制となった。
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