特別記事
千葉大学「訪問看護師として再就職したい看護職者を支援する学び直しプログラム」を実施して
辻村 真由子
1,4
,
吉本 照子
2
,
緒方 泰子
2
,
伊藤 隆子
1
,
石垣 和子
3,5
1千葉大学大学院看護学研究科訪問看護学教育研究分野
2千葉大学大学院看護学研究科看護システム管理学専攻
3千葉県立保健医療大学健康科学部看護学科
4前千葉大学看護学部
5前千葉大学看護学部訪問看護学教育研究分野
pp.768-781
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101426
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はじめに
近年のわが国では,診療報酬の改定等によって在院日数短縮化の傾向が高まり,在宅ケアシステムの整備と相まって,医療依存度の高い患者の在宅移行や在宅での看取りがますます推進され,在宅医療を支える24時間体制の訪問看護に対する期待も増してきている。しかし,経営の安定に必要な看護師数を確保できず休止・廃止に至る訪問看護ステーションも少なくなく,社会的ニーズに応えるだけの訪問看護師の量的確保は十分とは言いがたい。
一方,病院看護師や離職中の看護職者においては訪問看護への大きな社会的ニーズと発展性を感じながらも,自己のフィジカルアセスメント能力や最新の在宅看護技術,医師等の他職種との連携に自信をもてず,訪問看護師としての再就職をためらう例も多い。
こうした状況を背景に千葉大学看護学部では,平成19年度から文部科学省委託事業「訪問看護師として再就職したい看護職者を支援する学び直しプログラム開発」に取り組んでいる。訪問看護師として再就職したい看護職者を支援する学び直しプログラム(以下,本プログラム)は,訪問看護師として再就職したい看護職者が,各々の基礎教育,実践および社会経験をもとに在宅看護の知識・技術を学び直し,自律的な訪問看護師として活動していく能力を得るための個別的・系統的な教育プログラムをめざしている。
本稿では,平成20年度に実施した第1回目の本プログラムの実施経過および評価について報告する。
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