特集 混合研究法が創る未来─第1回日本混合研究法学会学術大会より
─〈パネルディスカッション1〉─混合研究法をめぐる議論からみえてくるもの
ベンジャミン・F. クラブトリー
1
,
抱井 尚子
2
,
亀井 智子
3,4
,
マイク・D. フェターズ
5
,
八田 太一
6
1ラトガーズ大学ロバート・ウッド・ジョンソン・メディカルスクール
2青山学院大学国際政治経済学部
3聖路加国際大学看護学部
4聖路加国際大学研究センターPCC実践開発研究部・WHO看護助産開発協力センター
5ミシガン大学家庭医療学講座
6京都大学iPS細胞研究所上廣倫理研究部門
pp.37-44
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201222
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大会第一日目パネル・ディスカッションでは,マイク・D. フェターズ氏(ミシガン大学)の司会により,ベンジャミン・F. クラブトリー氏(ラトガーズ大学ロバート・ウッド・ジョンソン・メディカルスクール),抱井尚子氏(青山学院大学),亀井智子氏(聖路加国際大学)が会場からの質問に答え,各自の基調講演を振り返りながら混合研究法(Mixed Methods Research;MMR)の考え方について議論した。会場からは,混合研究法を始める上で必要なこと,混合研究法を戦略的に行なう上で重要となる研究デザインについて,あるいは,研究パラダイムに関する質問のように,基礎的かつ根本的な質問から実践的な質問までが寄せられた。混合研究法の定義や考え方については実に多様であり(Johnson, Onwuegbuzie, & Turner, 2007),刻々と変化を遂げている。本稿は,各質問に対する直接的回答や各発表者の経験的思想を中心にパネル・ディスカッションの様子を再現したものである。混合研究法の表現においてもその多様さが現われていたが,本稿においてはMMRで統一する。今後,日本でもMMRについて継続的な議論を行なう上で,本パネル・ディスカッションは一つのあり方を示していると考えられた。なお,下線は本パネルディスカッションの報告者の八田による強調である。
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