特集 混合研究法が創る未来─第1回日本混合研究法学会学術大会より
─〈ワークショップ3〉─混合研究法としてのグラウンデッドなテキストマイニング・アプローチ
稲葉 光行
1
,
抱井 尚子
2
1立命館大学政策科学部
2青山学院大学国際政治経済学部
キーワード:
混合研究法
,
テキストマイニング
,
変換型混合デザイン
,
構成主義的グラウンデッド・セオリー・アプローチ
,
質的研究主導型MMR
Keyword:
混合研究法
,
テキストマイニング
,
変換型混合デザイン
,
構成主義的グラウンデッド・セオリー・アプローチ
,
質的研究主導型MMR
pp.25-36
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201221
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ワークショップ概要
本ワークショップでは,混合研究法(Mixed Methods Research ; 以下,MMR)の一手法としての「グラウンデッドなテキストマイニング・アプローチ」(GTMA ; Grounded Text-Mining Approach)を紹介する。GTMAは,構成主義的グラウンデッド・セオリー・アプローチ(C-GTA)(Charmaz, 2006/抱井,末田監訳,2008 ; 2014)に基づく研究者自身による質的データ分析と,コンピュータを用いたテキストマイニング技術を統合した手法である。つまりGTMAは,データ変換――量的データの定性化もしくは質的データの定量化――を通して,現象への深い理解や知識発見をめざす「変換型混合デザイン(conversion mixed design)」(Teddlie & Tashakkori, 2009)の一種である。GTMAによって研究者は,逐語録や対話ログなどのテキストデータから,研究者がもつ感受性とコンピュータによる客観性の双方を活かした分析結果を得ることが可能となる。
本ワークショップの前半では,質的研究主導型MMRおよびGTMAの概要と理論的な位置づけについて説明する。後半では,フリーソフトウェアを用いた具体的なデータ分析の手続きについて解説する。この手続きには,①テキストの精読,②C-GTAに基づく質的データ分析,③テキストマイニング技術を用いた言語学的分析,および④収束的・発散的な解釈結果の統合が含まれる。
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