特集 査読を考える─査読ガイドラインの構築に向けて
【座談会】査読ガイドラインの構築に向けて何が必要か
小泉 俊三
1,2
,
法橋 尚宏
3
,
山本 則子
4
,
萱間 真美
5,6
1一般財団法人東光会七条診療所
2佐賀大学
3神戸大学大学院保健学研究科
4東京大学大学院医学系研究科
5聖路加国際大学大学院看護学研究科
6公益社団法人日本看護科学学会
pp.648-660
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201197
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萱間(司会) 私は今年の6月まで,日本看護科学学会(以下,看護科学学会)の和文誌『日本看護科学学会誌』(以下,看護科学学会誌)の編集委員長を務めていました。査読の問題は編集長としていちばんの悩みのタネでした。投稿者からは「査読者からこういうことを言われた」「査読者の言い方が悪い」といったクレームがありました。こうしたことはマナーの問題だと思う一方,査読における一定のガイドラインや,投稿者との間でコンセンサスがないことが問題だと感じていました。「この雑誌ではこういう論文を掲載したい」という意思表示と,投稿者の合意がないまま論文が投稿されれば,査読者の見方と投稿者の思いが噛み合わず,さまざまなクレームにつながる可能性があります。雑誌が求めているものを投稿する人に明らかにするという点でも,ガイドラインの存在意義があると考えています。
本日は,査読をめぐる先生方のご苦労や,学会におけるさまざまな対応や取り組みについてお話を伺い,今後の方向性を探りたいと思っています。
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