増刊号特集 大学院で学ぶ意味─新たな看護を創るために
〈修士修了の立場から〉
人生に面白味を与えてくれた大学院
三田村 裕子
1
,
金井Pak 雅子
2
1昭和大学江東豊洲病院救急病棟
2東京有明医療大学大学院看護学研究科
pp.343-346
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201138
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■修士論文の概要
「新しく形成された職場における組織文化の探求」
本研究の目的は,新しく形成された組織における看護師集団の組織文化の認識および彼らが希望する組織文化,およびそれらの変化を明らかにし,さらに組織文化と看護師の精神的エンパワーメントとの関連を明らかにすることである。
研究方法は,自記式調査票を用いた量的記述的研究デザインである。測定尺度は,Harrison & Stokes(1992)が開発した「組織文化測定尺度」,およびSpreitzer(1995)が開発した「精神的エンパワーメント測定尺度」を用いた。調査対象者は,新規開院したA病院のB部署に配属されたスタッフナース32名で,調査は開院後6か月と9か月の2回行なった。看護師が認識する「現在」の組織文化は,4つの志向(権力,達成,役割,支援)のうち,「役割志向」が最も高く,「希望する」組織文化では,「達成志向」が高い得点を示した。「組織文化指標」は,「現在」に比べて「希望する」組織の得点が高く,組織文化の変化に期待をもっていることがわかった。2回の調査で組織文化の認識の変化を比較したが,有意な差はなかった。精神的エンパワーメントの結果は,4つの下位概念(意義,自己決定,能力,強い影響力)のうち,「意義」が最も高かった。
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