研究報告
中高年看護師の職業的キャリア成熟度の特徴と関連する要因
近藤 暁子
1
,
小泉 麻美
2
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科国際看護開発学分野
2東京労災病院看護部
キーワード:
中高年看護師
,
職業的キャリア成熟度
Keyword:
中高年看護師
,
職業的キャリア成熟度
pp.276-284
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201100
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目的:中高年看護師の職業的キャリア成熟度の特徴および関連している要因を明らかにすることを目的とする。
方法:病院Aに勤務する全看護師266名を対象に無記名自記式質問紙調査を実施し,「職業的キャリア成熟度尺度」を使用して測定した。35歳未満の看護師を「若年看護師」,35歳以上で役職のない者を「中高年看護師」,35歳以上で師長補佐以上の役職のある看護師を「役職のある看護師」とした。まず3群でキャリア成熟度を比較し,次に中高年看護師のみを対象とし,Spearmanの相関係数,Mann-Whitney U検定を使用してキャリア成熟度に関連している要因を分析した。
結果:分析の対象となったのは200名であった。成熟度スコアの合計点および各因子について,若年看護師と中高年看護師に有意差はなかったが,中高年看護師は役職のある看護師に比べて有意に低かった。中高年看護師(n=73)のキャリア成熟度合計点に有意に関連していた要因は,「対象病院での経験部署数」が多い,「外来勤務年数」が長い,「子どもあり」「目標あり」「学会発表を聴きに行きたい」「刺激し合える仲間あり」であった。
結論:中高年看護師は多くの部署を経験し,目標をもち,学会参加に興味をもち,そして組織全体として向上心をもって刺激し合えるような環境づくりなどにより,自己教育力を高めることで職業的キャリア成熟度を向上させることができる可能性があると考えられる。
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