焦点 セルフケア
解説
保健婦活動におけるセルフケア
久常 節子
1
1国立公衆衛生院衛生看護学部
pp.455-459
発行日 1987年10月15日
Published Date 1987/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200947
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1.セルフケア論議の背景
保健婦に限らず,健康問題に携わる者に共通する願いは,住民(国民)1人1人が自分で自分の身体や生活の実態を把握しながら,健康にとってよりよい生活を実践していく力をつけていくことであろう。この力こそ,住民の健康に対する自己管理能力であり,セルフケアの力であるように思う。
しかし,現実には治療者優先,高度のケア指向など,住民にとっては自分の健康問題であっても関与しがたい状況にある。その中では専門家依存の関係が強化され,"素人"であるという名目のもとに,人間が本来有している自助と自決の領域まで侵害されてきたように見える。
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