けんさ質問箱
弾力線維染色と肺病変
大和田 英美
1
,
K生
1千葉大医学部肺癌研病理
pp.1450-1451
発行日 1989年10月1日
Published Date 1989/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205233
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問 肺病変の病理組織学的検索における弾力線維染色の意義についてお教えください.(東京都・K生)
答 肺の生検,手術および剖検材料による病理組織学的検索においては,ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色,van Gieson染色に次いで弾力線維染色は,欠かすことのできない重要な染色である.正常肺においても,肺動脈は外径1000μm以上で,弾力線維の発達した弾性肺動脈,外径100〜1000μmで内および外弾性板で挟まれた中膜の薄い平滑筋の存在する筋性肺動脈,および外径100μm以下で平滑筋がしだいに少なくなり弾性板と内皮細胞のみとなる肺小動脈と三大別されており,これらの区別にも弾力線維染色は必要である.
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