寄稿
看護管理とは何か—草刈試案を中心とした看護管理への疑問
大塚 進
1
1元:八王子医療刑務所
pp.131-138
発行日 1983年4月15日
Published Date 1983/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200749
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
私は,看護者でもなし,看護の研究者でもない。したがって,看護に関する多くの文献に接しているわけでもなく,新しい情報があるわけでもないが,今までに散見したものを総合したところでは,看護管理というものが非常にわかりにくい,捉えどころのないものだという印象を抱いていた。
しかし,専門外のことであり,それを確める暇も資料もないままに打ち過ごしていたが,今回,『看護研究』(1982, No. 62)に,草刈氏の『「看護管理」の意味するもの』という解説が発表され,看護管理の概念が具体的に提示されたのを見て,その概念があまりにも大きすぎるのではないかという疑問をどうすることもできなかった。だが,この考え方は現在の看護界にほぼ定着しているものだとも受け取れるので,これに素人が意見を差し挾むことは,レディの花園に足を踏み込むことになるのではないかというためらいもあったが,いやしくも「学」を確立せんとするには,あらゆる疑問を解明し,批判を克服する必要があるのではないかと思いなおして,敢て,竹槍でB 29に立ち向かい,素手で城壁を打つ暴挙を覚悟して,私の疑問とするところを整理してみることにした。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.