特集 看護研究における参加観察法
補講2
<講演>看護における研究指導—その論点と方策
Holly S. Wilson
pp.348-353
発行日 1982年5月25日
Published Date 1982/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200717
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序論
私は,個人的なできごと,職業上のできごとの中で,私の同僚である日本の看護婦の皆様に,看護婦に研究と科学的探究を教えるという課題について話す特典を得られたことを非常な名誉と思う。看護科学を教えるということは,おさえがたいチャレンジを与えるものであると同時に,どこか神秘性を持ったものである。それは,私たちが方法論的な技術の習得ばかりでなく,学生に忍耐力と正確さと精密さという特性が望まれること,そして現在ある知識の重要性を尊重する気持を重視することも要求される。科学的調査は,概念上の新機軸に基礎を置いており,その結果として知識を得るのだが,その知識は偶発的なものであり,反論を受け,そして何よりも重要なことは,手中にすることがむずかしいものである。科学的な考え方というものは,すぐれた教師のもとで科学を実践し,科学を愛することによって習得されるものである。
この講演において私は,まず,米国において看護学生に研究を教えることについての最近の考え方を要約し,次に,私たちが到達したいと思っているところと,私たちが合意の目標に向かって実際に進んできたところとの間に存在すると私が考える,いくつかのくい違いを明らかにし,そして最後に,明らかにされたくい違いを,最小限にとどめるために考えたいくつかの指針となる原則を,研究教育者としての私自身の経験からお話したい。
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