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海外論文
ナース-プラクティショナーの発展をはばむもの—女性の分野における女性の問題
Barriers to the Nurse Practitioner Movement: Problems of Women in a Woman's Field
Bonnie Bullough
1
,
依田 和美
2
1カリフォルニア州立大学看護学部
2大阪府立看護短期大学
pp.232-239
発行日 1979年7月15日
Published Date 1979/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200586
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これまで男性によって支配されてきた分野へ性の障壁を打ち破って進出しようとする女性は,性にまつわる問題の多くに遭遇するということは明らかなことであるが,反面,女性の分野における女性の問題はそれほど明白ではない。とはいえ,女性が98%を占める看護のような職業では,性の差別に悩まされる可能性は十分に考えられる。現に看護はその好例であり,看護職は性の障壁をかかえつつ歩み,それと戦うことを知り,そして現在その闘争機構そのものが前進をはばんでいると気づくに至ったのである。ナース懦プラクティショナーの発展を障害するものを調べる中で,このようなことが鮮かに浮び上がってくる。現在看護婦は業務範囲を拡大し,新しい責務を引き受けようとしているが,過去の男性への従属とそれに対する看護婦自身の反応によって作られた心理社会的障壁ならびに法的障壁のために,それが不可能だと考えられた時期もあった。事実,役割拡大の原動力は看護外部の力によるところが大きい。
役割拡大を促した主要な因子の一つは,過去50年間にわたり医学部卒業生の数が一定のままであるにもかかわらず,プライマリー-ケア医師が不足していることである(1)。この不足はもとはといえばヘルスーケアに対する需要の増大に起因している。現在,医師数はわずかながら増加しているが,その増加も専門分化傾向による医師数の増加に及ぼず,専門医数は3対1以上の割合で一般医を上回っている(2)。
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