トピックス
人工赤血球の実用をはばむもの
関口 彌
1
1東京大学医学部第2外科
pp.89
発行日 1968年1月20日
Published Date 1968/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204499
- 有料閲覧
- 文献概要
「人工赤血球」といっても,これは牛馬その他現在利用されずに捨てられている動物のヘモグロビンを,将来ヒトへの応用を考えて,生体内で直ちに凝集・破壊されることのない高分子の薄膜の微小カプセル内に封入したものである.
元来,異種動物間の輸血は不可能とされてるが,これはそれぞれの動物に存在する異種赤血球凝集素・溶血素によつて赤血球膜が破壊されるからであって,われわれのin vitroの測定によれば,ヘモグロビンそのものは,異種血清内でも十分その機能をはたし得るものである.
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.