焦点 保健医療行動に関する看護学的研究
研究報告
大学病院における継続受診患者の医療行動に関する研究
金川 克子
1
,
天津 栄子
1
,
小野 ツルコ
1
,
吉田 民子
1
1金沢大学医療技術短期大学部看護学科
pp.118-130
発行日 1978年4月15日
Published Date 1978/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200549
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I.はじめに
近年,健康に関連のある行動(health relatedbehavior)として保健行動(health behavior)が注目され,疾病の回復から健康増進への積極的な予防的保健行動,すなわち,positive health1)2)へとその考え方や行動のとらえ方が広がってきている。KaslやCobbは,行動科学的観点から健康に関する行動を対象のもつ信念や健康レベルにより,health behavior,illness behavior,sick rollbehaviorの三つに分類し,健康についての認識,役割,健康状態の関係を説明している3)。
健康問題が生じ,それを認識し治療・回復を目的とする受診行動において,その継続性は極めて重要であり,医療管理のも,とで,継続的受診行動をとることは,患者の役割行動ともいえる。さきに,我々の行った「糖尿病患者の定期的受診行動に関連する要因の研究」4)において,罹病期間,日常生活に障害をもたらす自覚症状および糖尿病の治療方法などが,定期的受診行動に関連する要因としてみられたが,一般に受診行動に影響するものとして,対象のもつ背景,健康状況とその認識,受診環境の特性などがあげられる。
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