研究
現行消毒法の効果の再検討—とくに看護者の病棟内手指消毒について
鵜沢 陽子
1
,
平田 洋子
1
,
松岡 淳夫
2
1千葉大学教育学部特別教科(看護)教員養成課程
2千葉大学教育学部特別教科外科系看護学
pp.233-238
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200464
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I.はじめに
病棟内の滅菌消毒の目的は,患者とすべての院内に働く職員を感染から防御することである。対象が細菌を主体とする微生物であるから,滅菌消毒の効果の判定は極めて困難なものがあるが,少なくとも院内感染の絶滅を目的として判定されなければならない。
近年,抗生物質の発達とその普及とによって,その過信により,消毒に対する考え方が安易になりがちの傾向がある。これが院内感染を助長する因子の一つと言われている。また,化学療法の進歩は感染症の治療に多大の効果をあげてきたが,その反面,薬剤の耐性菌の出現や菌交代症,あるいは生体に対するアレルギー反応など,新しい課題が提起され,化学療法剤の使用にも種々の制約が加わり,院内感染の問題に複雑さを増している。
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