焦点 姿勢・体位と看護に関する研究
臨床看護研究・6
体位に関する援助についてのわが国の研究
中西 睦子
1
,
相馬 朝江
1
,
岡崎 節子
1
,
雨宮 悦子
1
1神奈川県立衛生短期大学
pp.161-170
発行日 1975年7月15日
Published Date 1975/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200429
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体位の保持・変換のための援助は,我々がすでにみてきた食事や排泄の援助と比べるといくらかその性格が異なる。改めていうまでもないが,食事や排泄はそれぞれ独立したニードを満たすための生活行動であり,そうした生活行動を助けるという点で援助の方向性は一致している。しかし体位それ自体は一つの状態にすぎず,ある時は快・不快の結果ほとんど無意識にその体位がとられ,又ある時はいろいろなニードを満たす条件となったり,更にある時は治療・看護の目的を果たすための手段や条件にもされる。従って,体位保持・変換に関する援助の方向性は,時にはひたすら患者の安楽に向かい,時には満たすべき要求に向かい,又時には得るべき治療・看護の効果に向かうというように必ずしも一様ではない。
又体位が一つの状態である以上,患者によっては1日24時間連続してそのための援助を必要とすることになる。つまり体位に関する援助には区切りがない場合が多い。しかし実際にそのような援助を行なうのは無理であるから,種々の体位保持用具が考案される。これらはいわば援助の手を代行するものであるから,援助活動の中で占めるウエイトも極めて大きいといえる。
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