焦点 姿勢・体位と看護に関する研究
解説
感情・気分と姿勢
青木 和夫
1
1東京大学医学部保健管理学教室
pp.171-175
発行日 1975年7月15日
Published Date 1975/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200430
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はじめに
"類人猿は前かがみで,その性格はきげんが悪いことで悪名が高い"という。これが事実であるかどうかは確かではないが,一般に人間でも気分の悪い時は前かがみの姿勢になり,気分がよい時には胸を張っているといっていいであろう。このように,気分は人間の姿勢にあるかかわりを持っていることは事実であるが,どのような感情や気分が,どのような姿勢に対応するのかといったことは明確にされていない。それは姿勢研究の技術がまだ未熟であるというせいもあるが,最大の原因は,感情を表わす方法が言語表現しかないということと,それらの種類が極めて多種多様に存在するからである。これら数多くの感情を,いくつかの群に分類してからでないと,感情と,その身体表現の一部である姿勢とのかかわり合いをとらえることはできない。
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