焦点 体温と看護に関する研究
臨床看護研究・9
体温保持・調節の援助に関するわが国の研究
中西 睦子
1
,
雨宮 悦子
1
1神奈川県立衛生短期大学
pp.161-168
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200457
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かつて感染性疾患が優位を占めていた時代には,発熱は患者,医療者の最大の関心事であり,看護婦は発熱患者のケアに意欲的に取り組んだといわれる。体温保持・調節のための援助はまさに基本的に重要な看護活動としてその地位を占めていたわけである。しかし種々の抗生物質の開発,診断技術の進歩,疾病構造の変化に基づく感染症の減少などが相まって,発熱患者は減少しており,体温測定も含めて体温に関係したケアの真に必要な対象は,たとえば新生児,未熟児,術後患者,易感染性の特殊な疾患患者,老人患者などに限られてきている。したがってそうしたケアの占めるウエイトは,看護活動全体からみると確かに小さくなりつつあるといえるかも知れない。とはいっても,体温が生体内部環境の破調を知るための重要な指標であることに変わりはなく,その観察やケアの重要性も根本的に変わるところはない。
今回は,体温保持・調節のための援助に焦点を合わせ,わが国におけるこれまでの研究を探った。
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