研究
患者と看護婦の心理的構造の差異と患者―看護婦関係—患者-看護婦関係理解への一つの試み
島内 節
1
1立教大学社会学研究科
pp.145-159
発行日 1975年4月15日
Published Date 1975/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200428
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この研究の概要
この研究は,50組の"患者と看護婦の対"について,患者の入院後3日目,10日目及び20日目の3回にわたり同一内容の質問紙調査を行なうと共に,数事例について事例研究を行ない,患者・看護婦の心理的構造の特色と患者・看護婦の関係構造を明らかにしようとしたものである。
調査の結果,患者においては不安の程度がその病気及び看護婦に対する受容度と著しい関係にあること,入院中の患者の病気に対する見方の変化を看護婦はかなり違って認知していることなどが明らかになった。一方,患者・看護婦間の相互受容的関係は,患者の認知に対する看護婦の洞察の正確度や両者の接触時間・頻度とはあまり関係がなく,両者のかかわりの性質に大きく依存していることが明らかになった。そこで,これらの調査結果と事例研究に基づき,受容をめぐっての患者-看護婦関係について考察が加えられている。
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