講座 入門・診療記録管理・4
実地研修のポイント
栗田 静枝
1
1聖路加国際病院診療記録管理室
pp.322-323
発行日 1979年4月1日
Published Date 1979/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206837
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VII.実習期間と実習病院の選定
開設第一歩の稿で,「準備期間を十分にとること」と述べたが,このことは,専門職員の養成との関連で,特に強調して言いたい.例えば,看護婦出身の適任者を選び,通信教育を受けさせ,終了を待って採用したからといって,この職員が,ただちに診療記録の中央化をし,業務を開始し得るものではないということを,病院管理者は十分認識していただきたい.特に診療記録管理室新設の場合には,先任者はいないのだから,十分な実地教育を受けさせなければならない.通信教育の2年間に,たくさんのリポートを書き,スクーリングに出席し,認定試験にパスはしても,この時点では概論を知ったというだけに過ぎない.この新管理士を専門家扱いして,早速業務をスタートさせるような傾向が往々にしてあったが,結果はかえって本人の負担を重くさせ,失敗に終わった例もいくつか聞いている.このようなことは絶対に避けるべきである.
まず,診療記録管理を実施している病院で,本格的な業務実習をさせることが必須である.実習期間は,少なくとも1か月以上,できるだけ長期間が望ましい.
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