EDITORIAL
実地臨床医のありかた
長畑 一正
1
1代々木病院・内科
pp.1241-1243
発行日 1966年9月10日
Published Date 1966/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201449
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実地臨床医と臨床医学研究者の断絶
実地臨床医とは「実地でない臨床医」の存在を前提とした言葉である。現実には第一線の臨床医のことであり,独立自営の開業医や中小病院の勤務医をさしている。最近では一般医とか家庭医とか,また単に臨床医と略してもよばれているが,それにはそれぞれのありかたの姿が反映されているのである。
実地臨床医という言葉は,考えてみればおかしな言葉である。そもそも臨床それ自体が実地的なものであるから,同義反覆であり,実地という接頭語はあらずもがなの感がする。しかし,この言葉の生まれたいきさつをたぐつてみれば,実によく日本の医学のありかたを示しているといえよう。
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