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シンポジウム 看護における諸問題の調査へのアプローチと看護科学の開発
看護における臨床研究:モデル,方法,および熱意
Clinical Studies in Nursing : Models, Methods, and Madness
Phyllis J. Verhonick
1
,
遠藤 敏子
2
1バージニア大学看護学科
2元:大阪医療技術短大
pp.24-28
発行日 1973年1月15日
Published Date 1973/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200327
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歴史家は,現在の科学時代を史上最大の科学的革命とみなしている。革新の速度は非常に速いが,それはわれわれが立向った全領域――そのうちでも,とくに技術と電子工学の分野――でのおどろくべき進歩の結果である。新しく開発された手段を,資本として利用することにおいて,看護の場合は,他の分野の場合より研究の進歩が遅かった。たとえば,超高速電子計算のごとき強力な手段は莫大な量のデータの収集,分析,分類,相関過程を補助することができる。看護が特に進歩しにくかった領域の1つは,患者への直接的ケアに関した臨床研究である。
看護の科学的研究への努力は,モデルがなく,観察のための明確な手段に欠けていることが妨げになってきた。また患者看護場面で観察される変数は,しばしば量的なものではない。看護における研究は,一般的には単なる現象の記述がその大半を占めた時代を通過しているが,臨床研究はいままさにそのような時期に入りはじめたところである。臨床での現象を数量化できないことは,明確で特異的な手段やモデルの欠如とともに,征服するのがもっとも困難な障害の1つである。例として,虚血性潰瘍の予防における看護を,モデル,方法および臨床研究において遭遇する問題を通して検討してみよう。
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