特別寄稿
この看護チームを見よ—北大病院脳神経外科看護チーム
千葉 康則
1
1法政大学
pp.177-180
発行日 1972年1月15日
Published Date 1972/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200283
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感動に胸はずませて
とにかくこの話を聞いてほしい,という押さえがたい衝動でペンを走らせている。つい数日前に会った人々の存在が今でも夢物語だったのではないかと思われるほどなのである。それは要するに仕事と研究に忠実な看護チームの話であり,しかも,その人たち自身はごく当たり前のことと思っているに違いないというような話である。しかし,これから書くように,そういうことがごく当たり前に存在しているということが私には衝撃だったのである。もちろん,私は比較的多くの看護婦と接触はしているけれども,それでも全体のごく一部にすぎないから,私がこれから紹介する看護チームのようなものがほかにもあるかもしれない。あるいは,少しも珍しいことではなく,私が感動したのがピントはずれということなのかもしれない。いや,むしろ,そうであってくれるほうが看護界にとってはしあわせなことである。このチームの人たちは口をそろえて「どうして私たちが珍しいのですか。もし,そうだとしたら,看護界のためにほんとうに寂しい」と言っていたが,それはそうであろう。しかし,私にしてみれば,迷いこんだ原始林の中で急に目の前がひらけような感動に胸をはずませているところなのである。読者諸姉はこの話をどのように受けとめられるであろうか。
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