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特集 実践科学としての看護学のための理論
第I部 一般理論
シンポジウム"看護における理論開発"
臨床看護の理論
A Theory of Clinical Nursing
Reva Rubin
1,2
,
稲田 八重子
3
1ピッツバーグ大学看護学部
2ピッツバーグ大学産科看護学部
3大蔵省印刷局東京病院付属高等看護学院
pp.306-310
発行日 1970年7月15日
Published Date 1970/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200199
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看護に関する本来の研究は,看護婦についての研究でもなければ,患者についての研究でもない。患者とは,健康上の問題でさまざまなストレスや緊張を主観的に体験している人である。看護独特の専門分野とは,患者をその病状や環境に順応させ,それに耐えていけるようにする援助技術,健康上の問題を効果的にそれぞれの体験の中に統合できるようにする援助技術である。
看護職を他の保健医療職と区別するため,一例をあげて説明してみよう。ここに出産を間近にひかえた未婚の妊婦が入院している。彼女に対する3種類の保健医療職の働きかけの相違点をみると,産科医は妊娠の身体面に重点をおいて援助するであろうし,ソーシャルワーカーは婚姻上の問題に焦点を当てた働きかけをするであろう。看護婦は困惑してどうしてよいかわからない状態になりがちな患者に焦点を当てて看護するであろう。ソーシャルワーカーにとって妊娠といったことは付随的なできごとである。心臓血管系の変化は産科医にとっては従属的な変化であろうが,看護婦にとっては重要な変化である。患者がストレス状態,依存的状態にある期間,彼らの自我を維持し,支持することが看護の第1の目標であるが,これは他の保健医療職にとっては二次的な事柄である。
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